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 遺構展示施設
この施設では、約1900年前の大型建物(SB-1)の遺構(レプリカ)をその位置に復元しています。さらに隣接するもう1棟の大型建物(SB-2)をその位置に平面復元しています。
また、大型映像装置で遺跡の紹介をしています。
地元の伊勢遺跡保存会の方々が手作りしたジオラマを展示しており、遺跡の全体像が見て頂けます。

遺構展示施設
建物と構造

形状と概観

建物は伊勢遺跡の特徴を反映した形状と外観となっています。 伊勢遺跡の大型建物群は特筆すべきものですが、その配置も当時の他の遺跡では見ることのできない特異なものです。
それが「円と方形」の組合せです。円周上に配置された祭殿群、中央の方形に配置された建物群。
今回復元される建物跡は「方形」なので、これを収容する建物は「円」として設計されました。
具体的な形状としては細長い楕円で、長軸は約39m、短軸は約14mです。
建物を覆う屋根は、上の写真から見て頂けますが、古代の丸木舟の底を思わせる「舟底形」となっています。
屋根材は鋼板ですが、銅鐸を思わせる色になっています。

建物構造

建物は遺構の真上に建てられていおりレプリカの遺構を展示していますが、弥生時代の遺構を破壊しないように工夫されています。また、人にも優しいバリアフリーとなっています。
・屋根を支える柱は外周にのみ設けられており、室内には柱はない(遺構を傷めない)
・実物の遺構の上に保護層を設け、その上にレプリカを設置している(遺構を保護する)
・レプリカ上のガラス床の支柱は、屋根を支える地中梁の上に設けている(遺構を傷めない)
・段差のないフラットな床面で、入り口の段差もなく外部の地面と同じレベル(バリアフリー)

建物の構造 施設の断面
建物の構造 施設の断面
施設の概要

レイアウト

遺構展示施設には次のような展示物やパネルがあります。
・遺構レプリカ展示:大型建物BS−1の柱穴
・映像展示:4台の投影機で大画面投影
・ジオラマ展示:1/120で伊勢遺跡の復元
・展示台:伊勢遺跡や守山市の弥生遺跡からの遺物を展示
・SB-2柱穴表示:主殿(SB-1)に隣接した副屋(SB-2)の柱穴の表示
・パネル表示:伊勢遺跡や関連情報の表示
レイアウト

施設内部の様子

施設内部の様子
遺構レプリカ展示(大型建物SB-1)
主殿とみなされている大型建物SB-1の柱穴が、遺構の真上にレプリカで展示しています。
柱間隔で数えると「2間×4間の総柱建物」で、四隅の柱間隔は 11m×7.8mで、面積は86uとなります。
掘立柱建物としては、お組では最大の建物、全国的に見ても最大級の建物です。
建物の用途は「主殿」と考えられています。

発掘時の柱穴の様子

SB-1柱穴

柱穴と人の大きさを比べてみてください。柱穴の大きさが分かって頂けるでしょう。

遺構レプリカ

遺構レプリカの上にガラス床を設置してあるため、写真には天井が映り込み、残念ながら遺構レプリカの全体像の写真はお見せできません。
せめて輪郭でも、手書きで描いてみました。
SB-1柱穴のレプリカ

正確な柱穴の位置と大きさを知って頂くため、個々の柱穴を撮影して組み合わせたものを示します
柱穴が大きく壁面とのスペースも少なく、撮影の方向が合っていませんがご容赦下さい。
  注:図中、青く着色した柱穴は、SB-1が撤去されたほぼ直後に建てられた小型の建物
    (建物の規模の割に大きい柱穴であり、SB-1の柱材の流用も考えられる)

SB-1柱穴のレプリカ

柱穴レプリカのいくつかを見てください。
柱穴
柱穴
柱穴
柱穴
柱穴
柱穴
映像展示
4台の投影機を使い、映像をつなげて天井スクリーンへ投影しています。
伊勢遺跡の成り立ちや特徴、歴史的役割などについて分かりやすく解説しています。

投影装置

投影装置
映像装置(投影機と天井スクリーン)

映像サンプル

投影映像
映像サンプル
投影映像
映像サンプル
SB-2柱穴表示(平面復元)
SB−2の建物形式は、「平地式近接棟持柱建物」と推定されています。
主殿(SB-1)や円周上の祭殿とは異なり、高床式建物ではなく、平地式の掘立柱建物です。
柱の太さ(柱穴の大きさ)や地中の深さなどから、平地式と推定されます。
祭殿に見られるような壁から離れた独立棟持柱ではなく、壁際に棟持柱があるため。近接棟持柱建物と呼ばれています。
柱間隔で数えると「1間×5間の掘立柱建物」で、四隅の柱間隔は 8.1m×7mで、面積は57uとなります。
建物の用途は「福屋」で、主殿に隣り合って補助的な役割を担っていたと考えられています。
SB-2柱跡
ジオラマ展示
別のページで詳しく説明しています。
展示台
別のページで詳しく説明しています。


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